ワクチンアレルギーとワクチン接種後の注意事項|浅草橋の動物病院は「あさくさばし動物病院」へ 年中無休

診療科目別症例紹介

救急

ワクチンアレルギーとワクチン接種後の注意事項

◉ワクチンアレルギーとは

 アレルギーとは特定の物質(アレルゲン)に対して身体の免疫系統が過敏反応を起こしてしまうことを指します。今回お話しするワクチンアレルギーとは『ワクチンによるアレルギー反応』です。ワクチンの主なアレルゲンは牛由来タンパク質と言われています。ワクチンアレルギーの詳細な発生率はわかっていませんが、過去の文献ではワクチン接種を受けた犬で10,000頭中約30頭、猫で10,000頭中約50頭と報告されています。

 

◉ワクチンアレルギーの症状

①循環器・呼吸器症状(アナフィラキシーショック)

 急激な血圧低下・呼吸困難・意識障害などを呈し、迅速な対応が必要とされるものを『アナフィラキシーショック』と呼びます。アナフィラキシーショックは、多くの場合ワクチン接種後30分以内に発症します。遅くとも60分以内には発症が見られます

 具体的な症状としてはぐったりして立てない・舌が青くなる・低体温などが認められます。緊急性が高く放っておくと死に至る可能性もありますが、迅速に適切な対応をすればほとんどの場合命を救うことができます。

 

②皮膚症状(顔の腫れ・痒み・赤み

 顔が腫れたり、皮膚の痒みが出る場合があります。多くはワクチン接種から数時間~12時間程度で、遅くとも24時間以内には発症します。アナフィラキシーショックほどの緊急性はありませんが、注射による処置が必要な場合が多いでしょう。

 

③消化器症状(嘔吐・下痢)

 軽度の嘔吐や下痢を認めることがあります。程度によって注射による対症治療を行います。

 

◉ワクチン接種後の注意事項

 ワクチン接種後は安静にしましょう。接種した日は排泄程度のお散歩は問題ありませんが、体温が上昇するような激しい運動やシャンプーなどは避けてください。

また、万が一アレルギー症状が出た際に迅速な対応ができるよう、接種後にも飼い主様がご自宅で様子をしっかりみていられる日に予定しましょう。

 

◉アレルギー症状に対する治療

 酸素吸入、アドレナリンやステロイド剤、抗ヒスタミン薬の投与など、緊急性や症状に応じて適宜処置・治療を組み合わせます。アナフィラキシーショックの場合は、特にスピーディーに対応することが大切です。

 もし当院の診療時間外にアレルギー症状が出た場合は夜間救急病院へご連絡ください

ひがし東京夜間救急動物医療センター 03-5858-9969

ER文京 03-3830-0889

 

◉過去にワクチンでアレルギー症状が出た場合はどうする?

 過去のアレルギー症状が軽度でも、コンディションによっては次のワクチンでは重篤なアレルギー症状を引き起こすこともあります。当院では過去にアレルギー症状が出たわんちゃん・ねこちゃんに対しては、その子自身やご家族の状況に応じた対処を行なっています。ご不安がある場合にはご相談の上で対応策を決めましょう。

 

◉まとめ

 ワクチンは特定の感染症を予防するのには非常に有効です。ワクチンアレルギーを始めとして様々な有害事象が報告されていますが、有害事象の発生確率は決して高くありません。中には命に関わる場合もありますが、適切かつ迅速に対処することで最悪の事態を防ぐことができます。わんちゃん・ねこちゃんのワクチン接種についてお悩みでしたら気軽にご相談ください。