乾性角結膜炎(KCS)|浅草橋の動物病院は「あさくさばし動物病院」へ 年中無休

診療科目別症例紹介

眼の病気

乾性角結膜炎(KCS)

【概要】

眼の表面の角膜は常に涙で濡れていることで、透明性を守っています。涙は、涙腺から分泌する水成分、結膜から分泌する粘液成分、そして眼瞼縁から分泌する油成分で構成されています。この3つの成分を合わせて涙膜と呼び、まばたきによって眼の表面に拡げられて角膜を守っています。涙膜で覆われていないと、角膜や結膜は乾燥して炎症を起こし、激しい目やに、初期には痛みと不快感、慢性期には角膜の強い濁りがでて視覚を失うこともあります。この角膜、結膜の炎症のことを乾性角結膜炎(KCS)と言います。

KCSの原因として、先天性、薬物、感染性、神経性、免疫介在性などがあります。

診断には涙液量の測定、および眼とまぶたの詳細なチェック、角膜染色試験(2種類)が必要になります。

【治療】

原因を見つけることが第一です。症状を緩和するために、まず涙の成分を補充することは重要になります。

原因として疑われるものによって、免疫抑制剤の点眼、神経促進薬の投与、抗菌薬の点眼、瞼を温める治療などを行います。眼の障害が重度であったり、生まれつき涙が出ないコの場合、生涯点眼が必要になることもあります。