慢性腎臓病(CKD)|浅草橋の動物病院は「あさくさばし動物病院」へ 年中無休

診療科目別症例紹介

泌尿器の病気

慢性腎臓病(CKD)

【概要】

心臓病や腫瘍とならんで、中年齢以降の犬や猫にとって生命を脅かす疾患です。CKDは両側あるいは片側の腎臓の機能的及び構造的な異常が3ヶ月以上継続している状態のことを指します。早期に診断し治療することで、生存期間や生活の質(QOL)を改善できることが明らかとなってきています。特に食事療法は初期のCKDにも有効性が示されています。

CKDは様々な腎疾患(糸球体腎炎、間質性腎炎、腎盂腎炎、家族性・先天性腎疾患、FIP感染症など)が原因となって、腎臓の障害が慢性的に進行することで発症します。

CKDの症状は病期(ステージ)によって異なります。早期では、症状はありません。腎臓の障害が進行するに従って、尿量・飲水量が増える、体重減少、食欲不振などが見られるようになります。さらに進行すると、体内の不要な物質を尿から十分に排出できなくなり尿毒症に陥ります。最終的には全く尿が出なくなり、これまでの症状に加えて、痙攣や昏睡などの神経症状が見られることもあります。

​【治療】

初期のCKDでは、ストレスを避けることと、腎臓病のために調整されたフード(療法食)を用いた食事療法が中心となります。また、尿量が増えて脱水になりやすいため、新鮮な水を十分に飲めるような環境を整備します。また、高血圧や尿タンパクが認められる場合には、それぞれに対する飲み薬が必要になります。CKDが進行すると、様々な症状や異常(貧血、代謝性アシドーシス、脱水)が出てきます。その場合は、上記の治療に加えて、それぞれの症状に対する対症療法(点滴や注射など)が必要となります。

近年、猫の初期CKDに対して、内服によるCKDの進行の抑制が認められています。内服が出来る子は早期の内服開始が推奨されています。