脳梗塞|浅草橋の動物病院は「あさくさばし動物病院」へ 年中無休

診療科目別症例紹介

脳・神経の病気

脳梗塞

【概要】

脳梗塞とは、脳の血管に「詰まり」が生じて血流が途絶えてしまうことによりその先の脳組織が壊死し正常に機能しなくなる病気です。詰まりの原因は、血栓(血の塊)、腫瘍、敗血症(重度の感染症)、寄生虫の迷入、血管炎など様々あります。

ごく軽度の場合には無症状であることもありますが、脳梗塞が起こると、立てない、ふらつき、昏迷や昏睡といった意識障害に陥る他、部位によっては発作や片側だけの麻痺を起こすこともあります。人であればめまいやしびれなど軽度のうちから異変を訴えることができるため初期に気づくことができますが、犬や猫は自発的に訴えることができないため初期の症状がわかりづらく、一般的に発症は突発性です。

その他の脳脊髄疾患と症状が類似しているため、確定診断にはMRIによる画像検査が必要です。また単純に脳だけの問題ではなく、甲状腺や副腎疾患、心疾患などに由来して生じることもあります。そのため身体検査や血液検査、凝固検査、超音波検査などで基礎疾患の有無を確認しておくことも非常に重要です。

​【治療】

人では発症後早期であれば血栓溶解療法により症状の改善ができるとされています。しかし犬や猫の場合は症状が見られた時点で時間が経過していることが多く、また血栓溶解治療による治療効果が明らかではないことから、対症療法をとるのが一般的です。

梗塞により脳浮腫(脳組織のむくみ)や炎症、発作などが生じるため、症状に合わせて降圧剤、消炎治療、抗けいれん薬などを使用して治療を行います。また基礎疾患が存在する場合には、そちらに対する治療も合わせて必要です。病変部位によって麻痺や発作が後遺症として残るものの、予後は良好なことが多いと言われています。しかし、梗塞部分が広範囲であったり腫瘍や心臓病といった基礎疾患に伴って起きた場合には予後不良の場合があります。