膵炎|浅草橋の動物病院は「あさくさばし動物病院」へ 年中無休

診療科目別症例紹介

消化器の病気

膵炎

【概要】

膵臓の炎症により、消化器症状や腹痛などが認められう病気です。突然症状が現れる急性膵炎は比較的犬に多く、軽度なものから重症化するものまで様々です。重症化した動物では、多臓器不全に陥ることや黄疸や出血が止まりにくい状態となる出血傾向などにより死亡することもあるため、入院による集中的な治療が必要となります。また、持続した炎症により慢性膵炎に陥る動物もいます。​

消化管内で消化液として働く膵液が、誤って膵臓内で活性化することで自分の膵臓を消化してしまい、炎症や壊死を起こすと考えられています。猫の慢性膵炎では肝臓や消化管にも同時に慢性の炎症が存在していることもあり、膵臓、肝臓、消化管における炎症との関連性が示唆されています。

膵炎の動物では食欲がなくなり、嘔吐、腹痛が認められます。動物の腹痛は見逃しやすい症状の一つです。動物がお腹を痛がる時に「祈りのポーズ」をとるとされていますが、それ以外に抱き上げる際や腹部を触った際に嫌がったり、噛んだりなどの行動をとることもあります。また、重症化した動物では、黄疸や止血以上、腎不全、糖尿病なども合併することで多臓器不全に陥ることがあります。​

​【治療】

急性膵炎と診断した場合、まず点滴を実施し全身と局所(膵臓)の刺激を改善させます。吐き気が強い場合には吐き気止めを使用します。脂肪分の少ない食事から開始しますが、吐き気が強く食欲もない動物には消化管にチューブを設置して食事を与える方法や血管から高栄養の輸液剤を投与することもあります。また、腹痛がある(または疑わしい)動物には積極的に痛み止めも使用します。その他、糖尿病や腎不全などの合併症が認められている動物には合併症に対する治療も必要となります。慢性膵炎(特に猫)では肝臓や消化管にも同時に慢性の炎症が存在していることもあるため、ステロイド薬を使用することもあります。