甲状腺機能亢進症|浅草橋の動物病院は「あさくさばし動物病院」へ 年中無休

診療科目別症例紹介

内分泌の病気

甲状腺機能亢進症

【概要】

甲状腺機能亢進症は8歳以上の高齢猫に多く見られる病気です。発症に性別や品種による差はないと言われています。

この病気は、甲状腺の過形成、癌などにより「サイロキシン」というホルモンが過剰に分泌されることによって起こります。サイロキシンは代謝を上げる作用がありますが過剰になることにより、体重減少、多食、落ち着きがない、被毛の乱れ、嘔吐や下痢などの症状が見られます。

また甲状腺機能亢進症の猫では、心筋症や高血圧症を伴うことがあります。進行すると心臓の負担が大きくなり肺や胸に水が溜まって呼吸が苦しくなる(肺水腫、胸水)、不整脈を起こすなど命に関わることも起こります。

​【治療】

甲状腺機能亢進症の治療は、飲み薬を使う内科治療と甲状腺の摘出を行う外科治療の2通りの方法があります。

外科治療は甲状腺の腫瘤が明らかな場合には推奨されますが、年齢や状態も含めて手術の適応となるか動物に応じて検討する必要があります。

内科治療では、甲状腺ホルモンの産生を抑える飲み薬を使います。お薬は生涯にわたって使用していく必要がありますが、適切に治療が行われれば症状の改善が見込めます。症状や検査結果に応じて投与量を調整して行きます。

また、この病気では過剰なホルモンによる影響で腎臓病が隠されていることがあります。治療によりサイロキシンの分泌量が正常に戻ると、それまで隠れていた腎臓病が表面化してくることもあります。そうした場合には、合わせて腎臓病のケアを行ったりお薬の調整が必要です。