てんかん
【概要】
てんかんとは脳内の神経細胞が異常な神経活動を起こす事によって生じる発作(てんかん発作)を繰り返し引き起こす病気です。
原因によって特発性てんかん、症候性てんかん、潜因性てんかんに分けられます。
特発性てんかんとはてんかん発作の原因となる異常が遺伝的要因以外見つからないものを指します。犬に多く、6歳までの発症がほとんどです。
症候性てんかんは発作の原因が脳腫瘍や脳炎、脳梗塞など明らかに脳に病変があるものを指します。発症年齢に一定性はなく、猫に多いタイプです。
潜因性てんかんは症候性が疑われるが原因が特定できないものを指します。
また、起きる発作には体の一部が痙攣するタイプと全身が痙攣するタイプがあります。さらに、痙攣をしない発作(脱力したり、一点を見つめて動かない等) もあるので注意が必要です。
発作が出た際まず必要なのが、てんかんなのか、それ以外なのかを確認することです。てんかん以外の原因で発作が起こりうるのが、中毒、代謝異常、心臓病性の失神、感染症などです。
まずは血液検査や身体検査、尿検査、必要であればレントゲンや超音波検査等で脳以外の発作の要因があるか確認します。てんかんの疑いが高ければ次はMRIや脳脊髄液検査に進みます。ただし、特発性てんかんの可能性が非常に高い場合、相談の上、MRI等はせずに治療に進むこともあります。
【治療】
抗てんかん薬療法が基本になります。症候性てんかんに対しては、原因の除去もしくは緩和が望めるものは合わせて治療します。
抗てんかん薬療法は1種類の薬でコントロールできることもありますが、複数の薬を組み合わせないとコントロールできないこともあるので、状態に合わせて薬の量や種類を調整していきます。うまく発作のコントロールがついていても薬の量と種類が問題ないか、半年に一回は検査を受けましょう。
また、発作の時間が長く重いものだと、脳が損傷してしまい命を落とすこともあります。重篤な発作が出たらすぐに病院に行くのはもちろんですが、すぐに行けない時のために抗てんかん薬療法中のご家庭には緊急薬の常備をオススメします。