骨の病気
前十字靭帯断裂
【概要】
前十字靭帯断裂は、小動物獣医外科学領域において代表的な整形外科疾患のひとつとして認識されています。
前十字靭帯とは大腿骨と脛骨を結ぶ靭帯であり、膝関節における内旋や前方変位の抑制に対して非常に重要な役割を担っています。
原因として、靭帯変性、肥満、後肢の骨格異常、免疫介在性などが考えられています。
靭帯断裂を生じると、膝関節は安定性を失います(ぐらぐらする)。靭帯断裂を起こした直後には重度の疼痛により、跛行を呈します。また慢性症例においても断裂後の膝関節は安定性を失っており、進行性の骨関節炎により膝関節へのダメージは持続します。
診断には、整形外科学的検査、レントゲン検査、超音波検査を用います。
【治療】
前十字靭帯断裂に対する手術法として関節内固定法、関節外固定法、機能的安定化術などの様々な手術法が考案されています。犬種、体重にあった方法で手術法を選択します。