犬の僧帽弁閉鎖不全症|浅草橋の動物病院は「あさくさばし動物病院」へ 年中無休

診療科目別症例紹介

循環器の病気

犬の僧帽弁閉鎖不全症

【概要】

心臓の中では血液は一方通行で流れています。そのために心臓内には逆流を防ぐ弁が付いています。逆流を防ぐ弁の1つである僧帽弁の異常により、血液の逆流を生じる疾患です。その原因として僧帽弁の粘液腫様変性がもっとも多いですが、その他に感染性心内膜炎、機能性僧帽弁逆流などが原因となります。血液の逆流が少ないと症状は現れませんが、心臓の聴診で心雑音が聴かれます。逆流量が多くなると、元気がない、疲れやすい、寝ている時間が増えるなどの症状がみられてきます。

しかし、これらの症状は年齢によるものと思われがちで、病気と気付きづらい場合もあります。

自宅で気が付きやすい症状は、咳の増加です。特に、夜間や興奮・飲水時に出やすく、むせるまたは吐くような咳をします。これは心臓が拡大したために気管・気管支を圧迫することで起こります。より重度になると、咳をする回数が多くなり、なかなか止まらなくなります。

さらに重度になると肺に水がたまる(肺水腫)ようになり、元気がなくなり、苦しそうな呼吸をします。また、急にふらついたり倒れたりすることもあります。

​【治療】

心臓手術によって僧帽弁を修復するか、取り替えるのが理想的です。しかし、限られた施設で実施されている方法であり、リスクや費用の負担は決して少なくはありません。そのため、現時点では内服薬を用いた内科的治療が最も一般的に行われています。病気の進行度合いによって内服は変わりますので、定期的な確認が必要になります。