表在性膿皮症|浅草橋の動物病院は「あさくさばし動物病院」へ 年中無休

診療科目別症例紹介

皮膚・耳の病気

表在性膿皮症

【概要】

犬の皮膚の表面には様々な細菌が住んでいて、これらの菌を常在菌と呼びます。常在菌は外から他の菌が皮膚につくことを防いでいます。しかし、何らかの原因で常在菌が増えて、皮膚の中や毛穴へ入り込んでしまうと皮膚炎が起きます。これを表在性膿皮症と呼びます。

この原因となりやすいのは「ブドウ球菌」と呼ばれる細菌です。アレルギー性皮膚炎(アトピーなど)で皮膚のバリアが弱い場合、他の病気で体調が悪い場合、高い気温と湿度での生活などの要因があるとブドウ球菌が皮膚で増えやすくなります。

シェルティ、ジャックラッセル、ミニチュアピンシャー、柴犬、シーズー、ウェスティ、パグなどの犬種は発症しやすい傾向があります。また、梅雨~夏期の高温多湿の時期に多く見られます。

お腹や背中を中心に、比較的強い痒みを伴う湿疹が見られます。湿疹は多発する傾向がありますが、稀に局所的(口の周りだけなど)に症状が見られることもあります。

【治療】

症状の範囲が狭い場合には抗菌クリームや消毒薬、抗菌シャンプーなどの外用薬で対応します。症状の範囲が広く、スキンケアや外用薬で治り切らない場合には抗菌薬の内服や注射を行います。皮膚の症状が完全になくなっても、1~2週間は内服や注射を継続すること、また定期的なスキンケアを続けることで再発を予防します。ブドウ球菌が増える原因が判明した場合はそのことに対する治療も行いますが、アレルギー性皮膚炎が原因であった場合には長期的なアレルギーの治療管理が必要となります。

多くの場合、2~3週間で皮膚症状は治ります。しかし、ブドウ球菌は皮膚にもともと住んでいる菌なので数をゼロにすることができません。従って、適切なスキンケアを継続し、再発を抑える必要があります。